君の名はにも出てきた「口噛み酒」について徹底解説

映画「君の名は」でも登場した「口噛み酒」について
どんな味なのか?どうやって作るのか?など気になることは多いですよね!

口噛み酒について徹底的に調べたので、ぜひ最後まで読んでみてください♪

口噛み酒とは

口噛み酒は、米などの穀物やイモ類、木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して造るお酒。
お酒が生まれる原理は、デンプンを持つ食物を口に入れて噛むことで、唾液中のアミラーゼがデンプンを糖化させ、野生酵母が糖を発酵させてアルコールが生まれます。

口噛み酒の歴史

世界での歴史

発祥は東南アジアが有力です。

6世紀に書かれた魏書に「嚼米醞酒 飲能至醉」と、モンゴルを含む地域で米を原料とした口噛み酒の文化があったと書かれています。
-魏書 卷一百 列傳第八十八 勿吉國

日本での歴史

口噛み酒は、日本酒の起源とされることもある、世界各地で古くから作られていたお酒です。日本では弥生時代から古墳時代にかけて盛んに造られていたとされ、古代の文献にもその存在が記されています。

大隅国風土記(713年以降に造られた歴史書)より抜粋
※大隅国:現在の鹿児島県の大隅半島を中心とする東半部

大隅の国には,一家に水と米を設けて,村に告げ回らせば,
男女一所に集りて,米をかみて,酒槽に吐き入れて,ちちぢりに帰りぬ。
酒の香いでたる時,又集りてかみて吐き入れし者ども,これを飲む。
名づけて口がみ酒という。

口噛み酒は、神事や祭礼に捧げる神聖な飲み物として使われていました。また、薬効があると信じられており、病気を治癒したり、魔除けとして使われていました。

この際、噛む人には処女や巫女が選ばれていました。
君の名はでも主人公の巫女が噛んでいましたね♪

現代の口噛み酒

現在は、口噛み酒の文化は日本には残っていませんが、最後まで文化が残っていたのは沖縄です。

沖縄といえば泡盛が有名ですが、泡盛が普及するまでは口噛み酒が一般的でした。
1935年(昭和10年)頃までは祭事のために口嚙み酒が造られていました。

口噛み酒の実験

2004年に東京農業大学で、研究室の女子学生に口噛み酒の実験をさせた記録があります。
※下記、動画参照

3日目の夕方から発泡が始まり、10日目に発酵が終わって、アルコール度数9.8%のお酒ができたそうです!!

口噛み酒の味

口噛み酒はどぶろくに味が近いと言われています。

製造方法を考えると分かりやすいですが、日本酒は醪(もろみ)から酒粕を分ける(搾る)作業でクリアな清酒になりますが、口噛み酒はこの作業が無いためお米がそのまま中に残っています。
糖化したお米が残っているので、日本酒に比べて甘くヨーグルトのような酸味があるとされています。

口噛み酒を造ってよいのか?

口噛み酒は酒税法によって、1度以上のお酒の製造が禁止されているため、作ることは法的に認められていません。

参考情報

[1]「風土記」にあらわれた口噛み酒 – 和歌山県酒造史編纂委員

[2] Wikipedia-口噛み酒

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